心理療法について

精神分析的心理療法とは

長い人生の中では
どうにもならない不安やこころの痛みを抱えるときがあります。
家族の問題や人間関係の悩み、ご自身の性格や将来について、
いつまでも良くならない重苦しさや身体症状…。

人生の折々でこうした気がかりに悩まされ、
そのたびに気持ちの持ちようを変えてみたり、
環境を変えてみたりして、どうにかしのいでやっていく。
でも、こうした気がかりは形を変えて何度も生じてくるので、
先が見えない思いを感じることもあるかもしれません。

神戸こころの相談室・杏では、
「精神分析的心理療法」という心理療法をおこなっています。
気持ちの持ちようを変えても環境を変えても
どうにも乗り越えられない困難の背景には、
「こころの傷」・「こころの癖」があると考えます。

たとえば、厳しく叱責されながら大人になった方が、
職場でちょっとした注意を受けたときに、
大変なショックを受けてしまう、というようなことがあります。

ちょっとした注意で大変なショックを受けるのは、
その方のこころの中に、触れると痛む「こころの傷」が、
手つかずのまま放置されているためなのだと考えられます。
たとえそれが古い傷であっても、飛び上がるほど痛むこともあるのです。

こうした「こころの傷」は、自分自身で気づくのがとても難しいものです。
意識されていない「こころの傷」をかばうために
自分流のやり方で人と接するようになり、
嫌な考えを避けがちになる、これが「こころの癖」だと言えます。

精神分析的心理療法では、
こうした「こころの傷」の回復をはかり、
「こころの癖」についての理解を深めます。
こうした作業を通し、
自分らしいあり方を一緒に探していくことになります。

その経過の中では、
見たくない傷に触れ、
考えたくないこころの痛みを考えていく時間もあるかもしれません。

でも、こうした道のりは、ひとりではなく、
こころの専門家と一緒に歩んでいくことになります。
困難に向き合い、自分らしい自分と出会える、
そうしたこころの旅路をご一緒できたらと思っております。

病院の診察と
カウンセリングって
何がちがうの?

メンタルの不調を感じ専門家に相談してみたいと考える時に、精神科の病院を受診すればいいのか、カウンセリングを受ければいいのか迷われることもあるかと思います。
ここでは診察とカウンセリングの違いについて簡単にご説明します。

病院の診察とは

病院の診察とは、病気の治療を目的として、医師により薬物療法・一般精神療法が行われるものです。
薬物療法では、定期的に通院する中で、症状に合わせた薬が処方されます。
一般精神療法では、精神的な不調の問題点を整理し、症状緩和を目的とした現実的・具体的なアドバイスが行われます。
これらは保険診療となっており、経済的負担は比較的少なくて済みますが、話を聞いてもらいたい、悩みを相談したいというニーズに対しては、おのずと限界があります。

カウンセリングとは

カウンセリングとは、セラピストとの対話を通し、精神的不調の緩和を目指すものです。
カウンセリングというと、悩み事を話しアドバイスをもらうというイメージがあるかもしれませんが、直接的なアドバイスではなく、その人らしい問題解決に近づけるように、一緒に考えサポートしていきます。
話される内容は、目の前の困りごとの場合もあれば、何年もかけて取り組むような「生き方」であるとか「対人関係の困難」、あるいはもっと漠然とした「何故だかわからない生きづらさ」のような場合もあります。
健康保険は適用されませんので費用は比較的高額になります。期間はご相談内容に応じて、数カ月から数年の長い期間を必要とします。

神戸こころの相談室・杏のカウンセリング

神戸こころの相談室・杏では、カウンセリング/心理療法の中でも、精神分析的心理療法をご提供しています。一般的なカウンセリングとの違いは、目指すところが精神的不調の緩和のみならず、そうした不調を生じさせるあなたのこころがより強くしなやかに成長することにあります。
ゆったりとした時間の中で自分自身のこころと向き合う、創造的でかけがえのない体験となると思います。

ご相談内容

人間関係について

・相手の気持ちがわからない
・いつも人の目が気になってしまう
・学校や職場に居場所がない
・「自分らしく」いられない
・人間関係を変えたい

家族・子育てについて

・家族の問題で感情的になってしまう
・親との確執が苦しい
・子育てに関する悩み
・子どもの発達が気になる
・妻・夫の行動にイライラする

大切な何かをうしなったとき

・大切な人とお別れをした
・死別後、気持ちの整理がつかない
・家族が病気だと診断された
・子どもがひとり立ちして空っぽになった
・健康や若さをうしなった

心身の不調・健康

・ストレスによる身体症状
・食べ過ぎ・過度な食事制限
・よく眠れない
・疲れが取れない・疲労感がひどい
・薬では改善できない不調が続いている

うつ・気分の落ち込み

・やる気が出ない・集中できない
・寝つきが悪い・早くに目が覚める
・いつも身体が重だるい
・自分はいなくなった方がいいと感じる
・うつからの復帰を目指したい

自身の性格や将来について

・感情のコントロールができない
・自分が嫌い・自己嫌悪に陥りやすい
・孤独感に悩まされている
・自分が何をしたいのかわからない
・じっくり話を聴いてほしい